ロシア語(とスラブ系言語)の文法が、欧米の言語の文法とそっくりだ、という前出の表現にはちょっと問題があります。 この度令和元年の新しい時代を記念して、以下のように改訂しておきます。 おおざっぱに言って、ロシア語は英語やスペイン語よりかなり難しいです。 一つだけある易しいポイントは、定冠詞・不定冠詞が一切存在しないことです。 たとえば、イタリア語では定冠詞と不定冠詞がややっこしく、しかもそれらが前置詞と結合した結合型が頻繁に登場し( al, alle, nel, nella, dei, della, etc.) 慣れない時には、オロオロするくらい難しいです。 一方、ロシア語では、定冠詞・不定冠詞が影も形もなく存在しません。 ああ、考える必要も無くて良かった、そう思って安堵するのも束の間、名詞と形容詞がめったやたらに格変化して、発音とスペリングが変わります。 これが、一番難しいポイントです。 ドイツ語を話している方には、名詞・形容詞の格(en: case, de: der Fall, 1 Nominativ 主格, 2 Genitiv 所有格, 3 Dativ 与格. 4 Akkusativ 対格) という概念が、頭の中にしっかり入り込んでいるので、ああわかるよ、ということになると思いますが、英語とローマンス系言語しか知らない人には、なんじゃそりゃ? という反応にさえなりかねません。 英語を基準して平たく説明すると、直接目的語が第4格(対格)、間接目的語が第3格(与格)、これらがさらに細かく複雑に発展進化したのが、ドイツ語の4つの格、ロシア語の6つの格、といえるでしょう。 文法的に正しく格変化した名詞・形容詞を使いこなす会話や書類の記載は、子供にはできません。 しっかりと勉強した教養ある大人ができる知的作業です。 名詞・形容詞の難しい格変化だけではありません。 動詞に関しても厄介な難しさがあります。 一つの意味を表す動詞が完了体と不完了体という発音とスペリングの異なる(だが似ている)ペアとしての2つの動詞として存在し、時制やニュアンスを使い分けます。 英語だけでも、もうヤダ、もう十分だ、という雰囲気の日本の多くのみなさんに、ロシア語も勉強してね、というのは、あまりにも頼みにくい相談なのですが、(en:) nevertheless, (es:) sin embargo、ぜひともよろしくお願いします。 理由は、いろいろな世界があまりにも英語に偏り過ぎていて、バランスが悪すぎます、という TuneFind の一貫した主張です。 ドイツ語、フランス語、スペイン語、ロシア語など、ぜひよろしくお願いします。 そのうちに、アジアやアラビアの言語もね。 よろしくお願いします。
最後にロシア語と親族のスラブ系諸言語ですが、ロシア語と文法的にも、そして語彙のオーバーラップが多い点でも、よく似ていると聞いています。 スラブ系はヨーロッパでは大きな言語グループの一群なので、ぜひ勉強して、みんなの仲間に入れてあげてね。 よろしくお願いします。 |